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山口 恭弘
Radioisotopes, 47(11), p.844 - 854, 1998/11
放射線防護、医療等の分野では、放射線被ばくによる人体への影響を評価するために、人体を数値演算が可能なようにモデル化した数学ファントムが用いられている。今日使用されている数学ファントムは、人体の形状を数式で表した数式ファントムとCTやMRI画像を基に直方体(ボクセル)の集合体で表現したボクセルファントムに大別できる。本稿では、数学ファントムの基本的特徴と約30年にわたる変遷、数学ファントムの適用例等を紹介する。
遠藤 章
no journal, ,
原爆被爆者の健康影響調査に用いる線量推定は、2002年に完成した線量推定システムDS02によって行われている。DS02は、1980年代に開発された3種類の年齢群に対する数式ファントムを使い計算された臓器線量データ、爆心地からの距離、家屋等による遮蔽状況に基づき、個人の線量を計算する。今日では、人体の形状をより忠実に再現できるボクセルタイプ, ポリゴンメッシュタイプのファントムが開発されており、これらのファントムを利用することで、原爆被爆者の線量推定値の改善が期待されている。本発表では、成人の数式ファントムやボクセルファントムを用いて計算した臓器ごとの線量を分析し、ボクセルファントムを用いた臓器線量データの導入が、原爆被爆者の線量推定に与える影響について報告する。